雛人形の段飾りの登場人物

雛人形の段飾りの登場人物

段飾りには宮廷の様々な役職の人々が登場します。
一般的な段飾りの雛人形は、総勢15人の登場人物がいます!

お内裏様とお雛様。すぐ下の段には三人官女。その下に五人囃子、そのさらに下には、お殿様におつきの右大臣、左大臣が並びます。一番下の3人は仕丁(してい)という宮中の雑用係です。

明かりをつけましょぼんぼりに~♪でお馴染みの「うれしいひなまつり」の歌の歌詞にも登場するので、なんとなく覚えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
それでは段飾りの登場人物を探っていきましょう。

雛人形の歴史・文化イメージ

あ、一人だけ眉が無い!三人官女

お内裏様とお雛様のすぐ下の段に並ぶ三人官女。
お姫様にお付きの女官です。なんと!楽器を奏で、歌を詠み、さらには家庭教師もこなす!多才なお三方です!
その中に、中央に座る一人だけ「眉が無い女官」がいます。眉を剃り、お歯黒をつけるといった既婚女性の習慣から、年長の官女長でしょう。両側の二人は若い女官。おつきの女官も世代バランスをとっていて面白いですね。
また、両側の女官はどちらが右で、どちらが左なのでしょうか。それは女官が「どちらの脚を前に出して立っているか」を見れば確認できます。「台の外側の脚が前に出る」ように左右の女官を立たせましょう。

あ、眉なしの三人官女がいる!

野心あふれる!若き五人囃子

若き五人囃子

五人囃子は楽団です。が、ただの楽団ではありません。元服前(成人前)の貴族の師弟なのです。少年達は「アピール次第で宮中で重宝されるかもしれない」という想いで演奏しています。彼らの心中は、野心に満ち溢れています。お囃子にもきっと気合が入っていることでしょう。段飾りも一つのドラマが見えてききて面白いものです。成人前なので、髪型は少年の髪型です。ちなみに、五人囃子の並び順の理由はお分かりですか?向かって右から謡、笛、小鼓、大鼓、太鼓・・・そう、音の大きい順に並んでいます!このように、登場人物の背景が見えると雛人形をもっと楽しめるはずです。

どっちが上位か?右大臣と左大臣

別名随身(ずいじん)と言われています。右大臣、左大臣はお殿さまのお付きの者で、お殿さまと一緒に行動します。時には恋の橋渡しをする事も!朝廷では「左側が上座」、「右側が下座」となるので、向かって右が左大臣(上位)、向かって左が右大臣となります。「え?でもお殿さま(お内裏様)は向かって左が多いけど・・・」と思われた方は鋭い!これは次のコーナー「関東雛・京雛の違い」で確認してみてください。

右大臣と左大臣

3人は宮中の雑用係!
仕丁(してい)

仕丁(してい)

最下段の3人は仕丁という、宮中の雑用係です。身分が低く、怒った顔、泣き顔、笑い顔とそれぞれ豊かな表情をして楽しませてくれます。怒り上戸、泣き上戸、笑い上戸の3人で、「三人上戸」とも呼ばれています。
このように、登場人物ストーリーを知った上で段飾りを眺めてみると、いろいろ想像が膨らんで楽しいですね。お子様にもお話してみてはいかがでしょうか。

雛人形 Q&A

雛人形に関するよくあるご質問を紹介いたします。

真ん中の三人官女だけ眉が無いのはなぜ?
三人官女の真ん中は、年長の官女長です。婚女性の習慣の、眉を剃り、お歯黒をつけることから、眉が無いのでしょう。両端の2人は若い女官のようです。
右大臣と左大臣はどちらが位が上なの?
左大臣です。朝廷では左側が上座、右側が下座となります。

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